安全で美味しいをモットーに、一口目から「おっ!」と思わせるパンを作る【アトリエ・デコパン】(神奈川県・横浜市)


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今回ご紹介するのは、横浜市都筑区にある「アトリエ・デコパン」さん。
友人から「国産小麦や地産地消にこだわった優しい味のパンを作るお店があるよ」と聞き、行ってきました。

最寄り駅は東急田園都市線「江田駅」か横浜市営地下鉄グリーンライン「都筑ふれあいの丘」駅。
どちらからも徒歩20分強、バスもあるようですが私は道がわかりやすい江田駅から歩いてみました。

改札を出て左手の東口に出ると歩道橋があり、上るとこの景色が見えるのでスロープを下って道沿いに10数分ひたすら歩きます。
県立荏田高校を過ぎて広い通りに出たら右折、少し歩くと到着です。

住宅街に現れる、清潔感溢れる白い壁と落ち着いた深い青色のドア。


平日の15時頃訪問したので種類は少なくなっていて、食事パン系は完売。
お菓子系、デニッシュ系、ハード系など幅広く作られているようです。

アトリエ・デコパンってどんなお店?

中川禎史(ただふみ)シェフに話をお聞きしました。

「大量に作るより丁寧に作るパンのお店をやりたい!」と、2016年秋にオープン。
お店を開いた7年前はまだ国産小麦100%を謳ったお店は近隣にはなく、地域の健康意識の高いお客様が好んで訪れてくれたそうです。

・シェフの出身地である北海道産小麦を100%使用
・小麦粉から起こした自家製酵母を使用
・お店のある都筑区には農家も多く、地元で仕入れた野菜を極力使い、地産地消を心がける
・休みの日は奥様とまず市場に行き、旬のものを集めて商品を考える。大量生産できない代わりに一つ一つ季節感を楽しんでもらいたい。
・「地域に根差す」「生活の中に溶け込む」「お客様に健康で長生きしていただきたい」という想いでパンを作っている

話を聞けば聞くほど、単に美味しいだけではなく安全で体にいいパン作りを考えられていることが伝わってきました。

オススメのパンを実食!


◆チリドックパン
一見チーズとソーセージしか見えませんが、手に持つとずっしりと重さを感じるほど中には豆たっぷりのチリソース。
もちろん自家製です。

パンはふんわり、ほのかに甘みがあります。
トースターでリベイクするとチーズがカリッ。
トマトの酸味とスパイシーな風味が鼻腔をくすぐります。

辛さはマイルドなので小さいお子さんも好きそう。
軟らかい豆にパキッとジューシーなソーセージがよく合う!
よくある惣菜パンかなと思いきや、満足度が高い仕上がりで1品目からリピート購入決定!!

◆スペイン産生ハム(ハモンセラーノ)とカマンベールチーズのフォカッチャ
ふんわりもちっとした少し引きのある、オリーブオイルを塗ったこの生地だけでも美味しい!

軽くリベイクすると旨味を凝縮したハムの香りが際立ち食欲をそそります。
カマンベールチーズがパン生地を包み込むかのように贅沢な量が使われています。

こちらも一見普通そうな顔つきなのに、食べると想像を超えてくる美味しさで、この2品ですっかりデコパンさんの味に魅了されちゃいました。

◆自家製スイートポテトのスイートロールパン
さつま芋は都筑区や港北区の農家さんから仕入れているそう。

スイートポテトが驚くほど滑らかでクリーミー。
丁寧に裏ごしされていて、手をかけていることが伝わってきます。

そこにふわっと香るりんごの甘酸っぱさをプラス。
ふわふわしっとりの生地に包まれた優しいパン。

◆クイニーアマン
バターのリッチな香り。カリカリにキャラメリゼされた部分が本当にキャラメルそのものの味!
キャラメルが砂糖とバターでできているんだなあと実感できます。

内側の生地はふんわり。外側のカリカリとした食感とのコントラストがはっきりしていて、ずっと食べていたくなる美味しさです。
これもまた食べたいなあ。

◆栗のデニッシュ
ラム酒がほんのり香るマロンクリームとホイップクリーム、その下にはカスタードクリームも入っていてしっかりスイーツな一品。

購入した日が雨だったからかサクサク系ではなくふわふわ系に感じました。
渋皮栗がドーンとのって、秋の芋栗南京好きな皆様にはたまらない誘惑ですよね。

◆クランベリーとくるみの酵母パン
酵母?のかすかな酸味ある香り。

ライ麦を混ぜた生地にクランベリーとくるみがたっぷり!
下処理をきちんとされたくるみはえぐみがなくコクをプラス。
クランベリーの甘さもちょうどよく(最近よく見かけるのは生地よりフルーツが多いパンですが、私には甘すぎると感じることもあるのです)パクパクと食べ進められる美味しさ。

食べると酸味は気にならないですし、クリームチーズや無塩バターを塗って食べても美味しいです。

これからお店が目指していく方向は

お店が3年目のときにコロナ禍になり、世の中は大変でもお店にはお客様が多く来てくださり嬉しかったそうです。
また、パンを買いに来てくれるお客様でもある年配の男性に頼まれて、今年から地域の高齢者の方々にパン作りを教えることも始めたそうです。

これからの個人店としての役割は、『パン作り』と『生活』をどれだけリンクさせられるかが大事で、
「日々食べるものはシンプルで美味しいものがいい」
「単に美味しいだけでなく食べて健康になることも考えていかなければならない」
とおっしゃっています。

そこに至るにはこんな出来事があったから。

年配のお客様が「入院中にデコパンさんのパンが食べたかったんだよね」と退院してすぐに買いに来てくださったり、
以前働いていたお店では「美味しいけれど食べすぎて太っちゃうのよね」と言いながら買ってくださるお客様もいらしたり。

美味しくて太らず、食べて健康になれるパンを作る必要がある!
そのためには、お客様の健康を担保していくうえで国産小麦や有機の食材を使用し、それを広く知ってもらうことが大事だと。

お客様のことをここまで考えてパン作りをしているシェフのお話を聞いて、私たちお客の側ももっと自分や家族の体のことを考えたパンを選んでいく必要があると感じました。

現在、デコパンさんでは国産の有機ライ麦を使ったパンを試作中です。
このような取り組みをまたパンめぐでご紹介できればと思っています。

パン好きの皆さん、美味しいのはもちろん、体のことも考えたパンってどんなものか、ぜひデコパンさんで味わってみてくださいね。

SHOP INFORMATION
【店名】アトリエ・デコパン
【住所】横浜市都筑区荏田南3-2-13
【電話番号】045-482-9150
【営業時間】平日・祝 9:00~17:00 土日 7:00~15:00
【定休日】 火・水

※写真の商品の種類、価格は、2023年9月現在の情報となります。
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗もしくはSNSなどでご確認ください。


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この記事を書いた人

岩田聡子

岩田聡子 さん

パン屋さんめぐりは人と人を繋ぐ。転勤族&専業主婦の私でも気づけばパンを通じて友達の輪が!!旅行好きな主人と地方のパン屋もめぐってます。