小麦の魔術師降臨!愛あるパンのために通わずにはいられない【パンピーポー】(埼玉県川越市)
2022年9月23日、東武東上線「新河岸」駅から徒歩15分強の場所に、パンと焼き菓子の店「パンピーポー」がオープンしました。
今年3月末に多くの方に惜しまれながら19年間の歴史に幕を閉じた「ブーランジェリュネット」の若松大輔シェフが新たに作られたお店です。
店名の「パンピーポー」は、パン好きな人が集う店でありたい、そんなワクワク感が直感的に伝えられる名前がいいなぁと、『パーティーピーポー』というノリのいい言葉から思いついたそう。
確かに店名を口にするだけで「パンピーポー、イエーイ!!」と叫びたくなります(笑)。
シェフ自らの手でリノベーションした古い一軒家を、埼玉県・飯能市にある「REFACTORY antiques」さんに依頼して、『新しさと古さ』『かっこよさと親しみやすさ』を感じるお店に仕上がりました。
※出来上がるまでの過程がREFACTORY antiquesさんのHPに描かれていて、若松シェフの新店舗への想い、それに応える方々の想いが伝わる素敵なストーリーなのでぜひ読んでいただきたいです。
ショーケース内のパンを見ながら左手のカウンターで注文とお会計をします。
ガラスに反射してうまくパン達が撮れなくてごめんなさい(汗)。
パンのラインナップは30種類前後。リュネット時代からあるメニューも並んでいて、順番が来るまでワクワクが止まりません!
若松シェフは埼玉県産小麦「ハナマンテン」使いの第一人者。ハード系からソフトなパン、焼き菓子まで作ります。
ハナマンテンはたんぱく質含有率が低くグルテン形成が難しい粉。
この粉の美味しさを引き出すために試行錯誤を繰り返し、たどりついたパン達はそれはもう素晴らしいのです。
4年前のパンイベントで若松シェフの作ったハナマンテン100%バタールを初めて食べた私は、“一口惚れ”“ひと嗅ぎ惚れ”して、埼玉のお店まで取材させてもらいに行くほど魅了され、今では若松シェフの追っかけ(笑)のようになり今回もオープン初日に行ってきました。
◆ 豚のテリーヌ リュスティックサンド
テリーヌは塩味や脂身があっさりとしていて、ピクルスの酸味でさらに食べやすいです。
顎酷使系のハード系パンで、美味しくてかぶりついてたらクラストのエッジでちょっと口を切るほどしっかり立っています(皆さんは美味しいからって私のようにがっつかないでくださいね(^^;))。
クラムむっちりですごく美味しい~。
◆あんバターリュスティックサンド
クラストの圧倒的に香ばしい香りと焼き色が食欲をそそります。
無塩バター使用。
粒餡がすごく美味しい。粒餡とさらし餡の両方の良さがあるさらりとした感じなんです。
むっちりしたクラムがお餅みたいで餡との相性抜群!
◆食パンのミミさん ミルククリーム
ハナマンテンブレッド(食パン)の生地を使ったミニ食パンは弾力あり。
ミルキーなクリームの甘さと生地のバランスがよく、挟んであるクッキーもバターリッチでとても美味しいです。
パンは日常食であると思っているので、シンプルな食事パンは必ず買って味を見ます。
◆ハナマンテンブレッド
断面からふわっと甘く上品ないい香り。
よく嗅ぐとごく軽い酸味を感じるのは酵母の香りでしょうか。
焼かずに食べるとクラムはふわっ&しっとりとして粉の甘みを感じます。
焼き色つくまでトーストすると、クラストはサクサクと歯切れよく、クラムはサクッむちっ、からのふしゅっと口の中で溶けていきます。このくちどけの良さがたまりません。
焼いてもそのままでも美味しい食パンというのが私の中の好きポイント高し!!
◆ ハナマンテンのパンドロデヴ
外にまぶしたハナマンテン粉の力強い香りにまず驚きます。
クラストは薄く歯切れがいい。
クラムはむっちりだけれど重くなくほわっとして、鼻腔を小麦の香りが抜けていきます。
酸味はほんの僅かに口の奥の端に。
トーストするとクラストパリッパリ!クラムはとろりと溶けていく~。
甘みが増して美味しさがさらにアップし、ロデヴという種類のパンがこんなにも美味しかったのかと嬉しい発見。
◆生チョコフランス 栗の渋皮煮
硬そうに見えて、ナイフを当てると生地が沈むやわらかさ。
えっ、なにこれ?
薄いクラスト、ビターなカカオ香る茶色い生地はふんわりふにゅりとやわらかく。
チョコチップと栗の渋皮煮がドーン!
トーストするとクラストはサクッとして全体的に甘みが増します。
栗好き&チョコ好きなこともあり、予想を超える美味しさにリピート決定!!
◆アヤヒカリバタール
アヤヒカリという粉を食べたことがなかったので初体験。
ハナマンテンに似て力強さはあるけれど、お煎餅のような香ばしさを一番に感じます。
クラストはリベイクしていないのにトーストしたような香ばしさ。
かじると甘い!ハナマンテンとぜんぜん違う!
引きもなくソフトで、クラストが唾液と混ざって溶ける。これは珍しい。
逆にクラムはやや高加水でむちっとしていて食べると重め。
お米を食べたときのような甘みを感じます。
トーストしても粉の甘さを強く感じて非常に好みでした。
普段はパンの紹介は3~5種類にとどめるのですが、パンピーポーさんのパンは食パンやバゲット、ロデヴなど食事パンを細かく紹介したくなる美味しさなので、7種類載せてみました(実際はあと数種類食べています(笑))。
特に、3日かけて焼きあがるバタールなどハード系のパンは、なじんで小麦粉の匂いが力強くなる翌日以降に食べてみてほしい!とおっしゃっています。
皆さんのアンテナにビビッとくるパンがありましたら試してみてくださいね。
現在使用している粉は、ハナマンテンに加え、農林61号、はるきらり、はるゆたか、あやひかり、ゆめちから、春よ恋、ライ麦粉、TYPE100などのブレンド粉も。
「パンピーポー」のオープンに際し、埼玉県・東松山市にある「コヤナギコーヒーニッポン」さんにコラボコーヒードリップバッグをお願いし、開店初日はこのセットで販売されていました。
このコーヒーがまたパンに負けない美味しさなのです!
特に左の【スペシャル】は、フレーバーコーヒーかと思うほどの甘酸っぱい果実のような香りで衝撃を受けました。
年の近い若松シェフと小柳さんは二人とも熱いハートの持ち主で、お互いのこだわりをぶつけることでさらに高みを目指すことができるような関係だそう。
小麦と珈琲豆、どちらも穀物を扱い、そのポテンシャルを最大限に引き出そうとする姿勢や、
お客様の喜ぶ顔、幸せな顔のために頑張る!という話を聞いたら、受け手の私達もその想いを感じて通いたくなりますよね。
ハナマンテン他、埼玉県産小麦を愛し美味しいパンにしようと日々探求する若松シェフの周りには、今回お店をオープンさせるにあたり関わった方々と同じように、自分の好きなものに情熱を傾ける人(クリエイターさんやマニアさん達)が自然と集まるようです。
国産小麦の沼にハマったパンオタクの私も遠くても通ってしまう一人です。
そんな魅力にあふれた「パンピーポー」さんのパン、ぜひぜひ多くの人に口にしてもらいたい!
そして、熱い思いを語り合いましょう!!
SHOP INFORMATION
【店名】パンピーポー
【住所】埼玉県川越市砂新田1-19-8
【営業時間】10:00-17:00
【定休日】日、月、火曜日
※写真の商品の価格は、2022年の10月現在の価格となります。
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗またはInstagramにてご確認ください。
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パン屋さんのご紹介
- 店名
- パンピーポー
- 住所
- 埼玉県川越市砂新田1-19-8
- 営業日時
- 10:00-17:00
【定休日】日、月、火曜日
- https://www.instagram.com/panpeople__/
おすすめパン
- バゲット、ロデヴ(日によって使う粉が違うのも楽しみです)
- 生チョコフランス 栗の渋皮煮
- 豚のテリーヌ リュスティックサンド
この記事を書いた人
岩田聡子 さん
パン屋さんめぐりは人と人を繋ぐ。転勤族&専業主婦の私でも気づけばパンを通じて友達の輪が!!旅行好きな主人と地方のパン屋もめぐってます。
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