麦の香ばしさと甘さを感じるカンパーニュが世界各国の人を魅了する【ブリコラージュ・ブレッドアンドカンパニー】(東京都・港区)


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「リジェネラティブ・ベーカリー」シリーズ

第11弾は東京都・六本木にある「ブリコラージュ・ブレッド&カンパニー(bricolage bread & co. )」の河本将さんに話をお聞きしました。

六本木ヒルズけやき坂テラスに、2018年6月オープン。
まもなく6年を迎えますが変わらず人気を博しています。

こちらはお店で1番人気のクロワッサン。
時期によって変わるクロッカンシリーズもファンが多いです。



ショーケースに並ぶパンを見ていると、茶色い色味のパンが多いことに気づきます。
都心の人気店のイメージは“フルーツやクリームをたっぷり使った華やかなパン”と思っていたので、ここにブリコラージュさんの人気の秘密が隠れているのかもしれません。

看板商品のブリコラージュブレッドはどんなパン?


『できるだけ顔の見える食材を使いたい』という方針から、お店のパンには北海道の「アグリシステム株式会社」さんの粉をメインで使われているそう。
元々アグリシステムさんの“春香”という国産ライ麦を使っていたそうですが、昨年から“ハンコック”という同じ国産ライ麦でも食用の品種が販売されるようになりそちらを使ってみたところ、
・春香に比べて水分を保持する力がすごい
・成形もしやすく焼き上がりの表情も良い
いい粉だなあと感じ、現在はハンコックに切り替えられたそうです。

ライ麦が10%、国産小麦が80%、スペルト小麦が10%という比率のカンパーニュ。

1日ゆっくり寝かせる製法で、酵母のバランスと乳酸菌のバランスがちょうどいいところに持って行くので酸味も穏やかで食べやすい味に。
日本人にとっての「ご飯」の代わりになるような、日常のパンになればいいなと思いながら作られているそう。
なので、あえてライ麦を使っているなど店頭には表示せず、単純に美味しいと思って買ってもらいたいそうですよ。

六本木店はレストランを併設。
このブリコラージュブレッドを使ったオープンサンドも提供されていて、食べ方の提案にもなればとメニューを考えていらっしゃるそう。
六本木という場所柄、外国人のお客様も多く、ブリコラージュブレッドを好んで買われる方も多いのだとか。

『生産者さんがいいモノを作ってくれても私たち製造者(職人)がいいモノを作らないとお客様にその良さを伝えることができないので、技術力や知識をしっかり身に着けようと皆で日々ブラッシュアップしています』と話してくださいました。

ライ麦を使ったベーグルは渋谷店限定で販売!

ライ麦を使ったパンは、ブリコラージュブレッドから派生したフルーツやナッツなど具材入りのパンの他に季節商品の
・イースターのホットクロスバンズ(3月中旬から販売スタート)
・クリスマスのシュトレン
などがあるそうです。

また、六本木店では販売しておらず渋谷店限定なのですがベーグルにもハンコックを使用されています。
渋谷店の詳しい場所などは記事の最後にお伝えしますね。

いざ実食♪

◆ブリコラージュブレッド:写真左
袋を開けた途端、圧倒的な全粒粉の力強さと焼きの芳ばしい香りに酔いしれます。
少し水分を与えてからリベイクすると、クラストはサクサクでポップコーンのように軽やかな香ばしさ。
クラムはしっとりもっちりとしてナッツのようなコクのある香ばしさと甘みを感じてとても美味しい!

◆ベーグル(プレーン):写真右
外側はパリッと歯切れよく、中はみっちり詰まった硬いタイプではなくソフトなので食べやすいです。
食べ進めると甘みを感じると共にライ麦の爽やかさにより小麦単体よりも奥深さを感じます。

私はアボカドスライスとプチトマトをサンドしオリーブオイルと岩塩をプラスして食べてみましたが、
生地自体が美味しすぎて上半分は何もつけずに完食していたことを白状いたします(笑)。

ライ麦に限らずお店で人気のパンをご紹介

右:クロワッサン、左:ミルクチョコカルダモン

◆クロワッサン
人気№1商品。
全粒粉を60%も配合。小麦の風味が強いことで発酵バターのリッチさをしっかり受け止めています。
サクサクと軽やかな食感によりそのリッチさを最後まで飽きることなく堪能できるバランスの良さ。

ブリコラージュさんの併設のレストランで焼きたてのクロワッサンを初めていただいたときは、その美味しさに友人と顔を見合わせて「すっごく美味しい!!」と頬が緩みっぱなしでした。
ご自宅で召し上がるときにはリベイクを推奨!
サクサク感が復活しバターの芳醇な香りに満たされます。

◆ミルクチョコカルダモン
こちらは時期によって変わるクロッカンシリーズ。
クロワッサン生地にたっぷりのカルダモンが使われていて、鼻から口から爽やかな香りが駆け抜けます。
上にかかったミルクチョコの甘みがガツンと効いたカルダモンを包み込んでよく合うんです!
カルダモンロールが好きな方には特に試していただきたい!!
※3月現在はレモンクロッカン(こちらもカルダモンを使ったクロワッサン生地を使用)に変わっています。


◆農民パン
SNSで「美味しい」という声を多く見かけたので購入。
見た目からは甘みのないシンプルなハード系のパンかな?と想像し一口食べたら「なにこれ、めちゃめちゃ美味いやん!」と東京出身なのにテンション上がった時に発動する謎の関西弁がでちゃいました(笑)

ほんのり優しい素焚糖の甘みと、千葉県で育てられたイタリア小麦の草原を思わせる爽やかな香り。
ソフトで歯切れよく、ふんわりもっちり。
卵やバター不使用だそうですが旨味が濃いので、スライスしてバターも塗らずそのまま食べるのが私は好きでした。

翌日以降は霧吹きなどで少し水分を与えてからトースターでリベイクすると外側カリッ、内側むっちむち。
食パンのように毎朝食べても飽きない美味しさです。サンドイッチなどにアレンジするのもオススメ。

大切にしていること、これからのこと

お話を聞かせていただく際、
「シェフやマネージャーという肩書ではなく“河本さん”でお願いします。僕一人で作っているわけではなくお店のみんなで力を合わせてここまで来ているので」とおっしゃられたのがとても印象的でした。

お店のInstagramを見てもスタッフ皆さんの笑顔の写真やチームで行動されている姿が目に入ります。
実際お店に伺ってもスタッフの方が笑顔で「わからないことがありましたらなんでも聞いてくださいね」と常に心地よい接客なのは、河本さんのお店の皆さんに対する思いやりの精神が行き届いていて働く環境がいいからなのでしょうね。

ブリコラージュで働かれる前は、パティスリーと日本料理店で働かれていた経験があるそうです。
パン職人になった現在も変わらず常に根底にあるのは「美味しいものを作る!」という想い。

美味しいものを作り、それをお客様に届ける。
そして、届いた先の人がどんなタイミングでどのように食べるのかまでを考える。
美味しく食べるためのアドバイスは接客のスタッフの力によるものが大きい、とおっしゃいます。

『自分の手の届く範囲の人を幸せにしたい』

パンは老若男女に好まれる、お米と同じくらい食べ物として欠かせないもの。
日々の生活の中で、その香りや美味しさに自然と笑みがこぼれたり。

スタッフ全員が気持ちよく働ける環境にすることで美味しいパンが作られ、美味しいパンを食べることでお客様も喜んで笑顔になってもらえる。
皆が楽しそうにしている空間をこれからも大事にしていきたいです、と口下手で話すのは苦手とおっしゃりながらもしっかりと言葉にしてくださいました。

この想いがお客様に伝わっているからオープンから常に変わらない人気を保っているのだろうと感じました。

ベーグルを販売している渋谷店の場所は?


JR渋谷駅のハチ公に近い出入り口から地下に降りた渋谷東急フードショー(しぶちか)にあり、こちらが正面。

ベーグルは店内ではなく外側の通路沿いに売店のような形で販売されています。

シンプルなベーグル達。

注文を受けてからベーグルをカットしクリームを塗って具材を挟んで作ってくれるベーグルサンドもあります。
レストラン部門があるだけに、ベーグルサンドの材料の組合せが見事でとても美味しかったです。

ベーグルの他にも渋谷店限定のパンがいくつかあります。
渋谷店については改めて記事にしますので楽しみにお待ちくださいね。

SHOP INFORMATION
【店名】ブリコラージュ・ブレッドアンドカンパニー
【住所】東京都港区六本木6丁目15-1 けやき坂テラス 1F
【電話番号】03-6804-3350
【営業時間】7:00~19:00
【定休日】月(祝日の場合は営業)

<渋谷店>
【住所】東京都渋谷区道玄坂1-12-1 渋谷東急フードショー しぶちか
【電話番号】03-3477-4457
【営業時間】10:00~21:00(ベーグルの販売は11:00~)
【定休日】不定休

※写真の商品の種類、価格は、2024年3月現在の情報となります。
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗もしくはSNSなどでご確認ください。


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左:ブリコラージュブレッド
右:ベーグル
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この記事を書いた人

岩田聡子

岩田聡子 さん

パン屋さんめぐりは人と人を繋ぐ。転勤族&専業主婦の私でも気づけばパンを通じて友達の輪が!!旅行好きな主人と地方のパン屋もめぐってます。