他とは一線を画す、ザクザク噛み締める全粒粉クロワッサンは必食！【テネラブレッド＆ミールズ】（東京都・文京区）

2023年03月04日岩田聡子

コロナ禍、外出を控えていたために訪問できていないパン屋さんがたくさん溜まってしまいました。
2023年はそれらを回ろうと、パン友さん達がこぞって推すクロワッサンを購入しに文京区白山へ。

都営三田線「千石」駅A2出口を出て右に進み、「千石駅前」交差点を右にカーブする道へ。
道沿いに5分ほどで目的の「テネラブレッド＆ミールズ」さんがあります。
帰りは来た道を戻らず、お店を出て右手に約5分進むと同じ道沿いに「ルージュゴルジュ」というパン屋さんがあるのではしごができます。
前方に見える「白山下」交差点を左折すると1、2分で都営三田線「白山」駅に着くので、どちらの駅からでも行きやすい場所です。

平日、10時の開店10分前着で７人目。
並び方があるので近隣の方にご迷惑にならないよう、参考になさってください。

TENERAをオープンするまでの経緯

「TENERA BREAD & MEALS（テネラブレッド＆ミールズ）」さんのTENERAはイタリア語で、やさしい・思いやりのある・愛情のあるという意味があります。

パンを作る田中仁人さん（bread）と栄養学や調理科学に詳しい料理家のアリスさん（meal）のお二人で営むお店です。

田中さんの前職はイタリアや日本で活動するファッションデザイナーでした。
しかし、すぐセールになる服、毎年購入してもらうために作られる流行、そんな服飾業界にずっと疑問を持ち続けました。

自分の根底にあった『より多くの人に、より大きな幸せを届ける』、
これを実現するには、衣・食・住、と人の生活全般を提案できればと考え、36歳のときに小さい頃からの夢だった飲食業界（パン業界）へ進まれました。

「パーラー江古田」「TOLO PAN TOKYO」で修業し、40歳になる2020年に独立を決意。

『健康的で身体に優しい、何よりも美味しい、そんなパンのある暮らしを提案する』
をコンセプトに2020年8月オープンしました。

原材料のこだわり

身体に優しく、多くの人（パンを買う人、パンを作る人、パンの原材料を作る人等）が幸せになれるよう、原材料にもこだわられています。

・できるだけ生産者の顔がわかる、自然栽培の農産品を選ぶ
・不揃い品など形が悪いだけの美味しいものを利用し、食品ロスを減らす
・健康と栄養素のことを考慮し、旬なものを使う
・小麦は粒のまま仕入れて、店内に置いた石臼でゆっくり挽く自家製粉の全粒粉をパンに配合

このこだわりを知るだけで「もう美味しい！」と感じますよね。

目移りしまくりの店内はこんな感じ

食事パンから総菜パン、焼き菓子まで、小さい店内に所狭しと魅力的なパンが並びます。
正面のガラス張りの奥に厨房があり、働いている姿が見られるのもライブ感があって好きです。

お目当てのクロワッサンも発見！

コロンと愛らしい形のクロワッサン生地のパンが気になりこちらも購入。

いざ実食！

◆全粒粉のクロワッサン 340円
お店の人気№1。全粒粉は36％も配合＆古代小麦入り。
外側のザクザクとした心地いい食感は脳にまでその音が響いていくほど。
反して内側は密度も水分もあって、ここまでもっちりしているのは初めてです！
ザクッもちっの食感からするりと滑らかなバターを感じる口どけに変化するのもすごい！！
端に行くほどゲランドの塩の濃い塩味とザクザクの香ばしさを感じて、今までに食べたことのない味と食感はクセになります。
みんなが絶賛するのも納得です！！

◆サンドイッチ
田中さんの焼くパンとアリスさんの料理の融合がもっとも感じられるものなので、食べてほしい一品。
レストランの一品料理をパンに挟んでしまった！そんな贅沢なサンドイッチです。

※季節によりパンも具材も変わります。
ご紹介するサンドイッチは２月末までで、随時旬を感じる商品が楽しめます。

・たっぷり人参と鶏胸肉のコンフィ 720円（写真手前）
カラフルな人参を色ごとにラペ、ロースト、ソース等使い分け。
オレンジ人参のソースはシナモン風味。他にもスパイスを感じます。
黄色人参のローストは甘～い。
紫キャベツのマリネは酸味控えめの甘酸っぱさ。
胸肉が超絶しっとり、ぷるんとやわらかく美味しい～。
パンはリュスティックのように気泡の大きいクラムでもっちもち。
発酵バター？が塗られていてこのバターも美味しい！
シナモン強めの味付けですが、スパイス好きには嬉しいですね。

・ラム肉のラグーと白い野菜（里芋・白菜・カリフラワー）のグラタンサンド 770円
パンの焦げ目の部分が香ばしくてクンクン嗅ぎまくっちゃいました。
クラスト薄くクラムがものすごく高加水で、指にぴとっと吸い付きむちむち。
白菜は軽く浅漬けに、ラム肉の味がはっきり鼻から抜けるのでラム好きの私には悶絶の旨さ。
グラタンもとろとろで、パンとの一体感がすごいです！
山椒っぽいカリッとした粒が味と食感のアクセントに。胡椒もピリリと。
忘れられない美味しさです。

◆チョコクロモンブラン 540円
冬季限定。季節によって中のクリームがかぼちゃだったり杏仁豆腐だったり意表を突く組合せなので、インスタ要チェックです！
マロンクリームは甘め、合わせたフランボワーズソースの酸味がきつすぎずバランスがいいです。
クロワッサン同様、ザクザクからの口どけの良さがテネラさんならでは。
3時間後に食べた時と10時間後に食べたときでは内層の食感に違いが出るので早めに食べてみてほしいです。

◆カンパーニュ 1/4サイズ 330円
袋から出した香りだけでもう美味しいのがわかります！
クラストからは大地の力強さを感じる小麦の香り。
クラムからはシナモンに似た樹皮を思わせる香りがします。シナモンロールの香りが移ったのかな？とも思いましたが、食べ進めてもうっすらと感じるのです。

硬そうに見えて実際は簡単に噛み切れ、クープの焦げた部分が香ばしい旨味となってすごく美味しい！
口中から鼻腔にその香ばしさが抜けていき余韻を長く楽しめます。
クラムは超高加水で、むっちむちの色っぽさ。
ふしゅ～しゅわ～と溶けていきます。
ここまで好みのカンパーニュに出会えて、一番テンションが上がりました！

◆ぶどうパン1/2サイズ 340円
こちらもかなりの高加水＆やわらかいため、頭がひしゃげてキノコみたいになってきていますが、その姿がなんとも哀愁と愛らしさを併せ持っていて、写真見るたびに“よしよし”と撫でたくなります（パンなのに（笑））。
上のほうはほわっ、下はむちむち。
レーズンがとてもジューシーでソフトドライと呼ばれるものよりさらに瑞々しい。
食べている間、ずっと口の中に生地とレーズンの水分を感じられてこれも止まらない美味しさです。
◆シナモンロール
デニッシュ生地で、クロワッサン同様外ザクザク、中しっとり。
とにかくテネラさんの折り込み生地は「口どけがいい！」。
シナモン風味が強すぎず優しい甘さなので食べやすく、気づいたらぺろりと消えていってました。

この他に焼きカレーパン（冬バージョン）も食べました（写真なし）。
豆やお芋がたっぷり入って油っぽさがないのでヘルシー。
自家製スパイスが口の中でいろんな音を奏でているみたい。
辛さもあるけれどお野菜がマイルドにしてくれます。
生地もリベイクで外側パリッとして中はもちっ。とても美味しかったです。

何を食べても一口目から美味しいTENERAのパン

田中さんの修業先、「パーラー江古田」さんのハード系の良さと「TOLOPAN」さんの折り込み生地の美味しさの両方を楽しめる他にはないパン達でした。
そして、アリスさんの作る料理をさらに美味しく味わえるよう、一体感を持たせたパン作りも素晴らしかったです。
もしかしたら、最強のパン屋さんに出会ってしまったかもしれません！

SHOP INFORMATION
【店名】テネラブレッド＆ミールズ
【住所】東京都文京区白山4-37-37
【電話番号】03-5981-9822
【営業時間】10:00～売り切れ次第閉店
【定休日】水、木、金曜日

※写真の商品の価格は、2023年の2月現在の価格となります。
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗またはHPにてご確認ください。

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