国産小麦100%使用にリニューアルした【麻布十番モンタボー nonowa国立店】の試みとは!


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「麻布十番モンタボー」と聞くと、皆さんどんなパンをイメージしますか?
・多店舗展開するチェーン店のパン
・ふわふわしっとりの甘い「北海道牛乳パン」
のイメージがある方が多いでしょう。

全国に60店舗もあるモンタボーの店舗の中で、昨年10月、「nonowa国立店」が国産小麦100%のパンを販売する店舗にリニューアルされました。大手チェーン店でこの試みは素晴らしいですし、初めてのことではないでしょうか。
このバゲットの焼き色やクープの力強い立ち上がりはチェーン店と一括りにすることはできない、オールスクラッチ方式ならではのものです。


安心・安全な国産小麦を使うこと、また、消費地に近い産地の小麦を使うことで輸送にかかるCO2排出量を削減など、環境に配慮した取り組みを進めています。


そうした中、教育現場でSDGsに対する理解と推進に熱心に取り組んでいる「神奈川県立中央農業高校」と出会いました。
中央農業高校は、小麦の自給率の向上と地産地消を進めるために耕作放棄地を利用して小麦「ユメシホウ」の栽培・収穫を行っていましたが、コロナ禍で小麦を加工した商品を販売する機会(文化祭や地域のイベント等)がなくなり、大量の小麦在庫を抱えて困っていました。

そこで、以前より中央農業高校の小麦を製粉していた石臼製粉プラント「ミルパワージャパン」(神奈川県平塚市)が、麻布十番モンタボーの商品開発を担う鈴木清司シェフに紹介をし、今回のリニューアルの看板商品としてnonowa国立店でコラボパンが販売されることになりました。
ミルパワージャパンで製粉した粉は、通常の粉砕の際に生じる熱で失われてしまう小麦本来の香りを、低速の石臼で時間をかけて挽くことでしっかり香りを残した仕上がりになります。
丁寧な製粉をされた、高校生の育てた芳醇な香りを持つ「ユメシホウ」が、今回のコラボ商品に使われています。

麻布十番モンタボー nonowa国立店では、昨年10月のリニューアルから国産小麦100%のパンを製造販売、しかもその7割に全粒粉を使用しています。
白い小麦粉では捨てていた表皮や胚芽までまるごと粉にするのでフードロスが減り、小麦の風味も強くなりました。

・作り手のシェフ達が、国産小麦および全粒粉にしたことで、今までの白いパンでは物足りなくなったと感じていること。
・販売スタッフの方にもお勧めを聞いたところ「クロワッサンを使った菓子パンが、全粒粉配合になったことでこんなにも味が濃く深く変わるのかと驚いたんです」と。
毎日パンと向き合っている現場の方たちが口を揃えて、国産小麦に変わったことでさらに美味しくなったと感じているのですから食べてみたくなりますよね。

ここからは、神奈川県立中央農業高校の生徒達が育てた「ユメシホウ」を使ったコラボ商品を実際に食べてみた感想をレポートします。


◉「ユメシホウの石臼バゲット」
ベーカリーチェーンで、ここまでのガツンと力強い香りのするバゲットを食べたことがありません!すごい!!
実は、鈴木シェフにお話を伺うのにユメシホウなど使った食事パンの陳列棚のほうに移動したのですが、その時点から小麦の香ばしい香りが漂ってきてたんですよね。
クラストは引きが強く、食べていると鼻から小麦の香りが抜けて行きます。
塩味が控えめなので、ストレートに小麦の味を楽しめます。
どんなお料理にも合わせやすく飽きずに毎日食べられますね。
軽く水分を与えてからトースターで1分リベイク。
すると、クラストがカリッパリッと歯切れよくなり香ばしさも増すのでお勧めです!
クラムはほわほわになり、唾液と混ざり合って小麦の甘みが口いっぱいに広がります。


◉「ユメシホウの石臼旨味ロール」
外側は引きがあり香ばしさがあります。
内側は甘くほんのりバターの香り。
もちっとして優しい甘みなので小麦の味をよりわかりやすく楽しめます。
トースターで1分リベイク。
小麦の香りが強くなり、サクッサクサク、ほわっ。
リベイクしたほうが食感も嚙み締めたときの甘みも増したように感じます。

コラボ商品以外で人気のパン達もご紹介。

◉「クロワッサン“麦風”」
ゆめちから全粒粉30%配合。
細かい層の重なりの断面が綺麗で、断面マニアとしては嬉しい!
パリッ、ザクッ!底面パリパリ、内層ほわわ~。端っこザクザク。
そのまま食べてもサクサク感がしっかりとあって美味しいです。
リベイクするとミルキーな香りがします。
翌日リベイクせず食べてみたのですが、それでもザクザク食感だったのがとても印象的で、美味しいクロワッサンでした。


◉「カレーパン」
こちらもクロワッサン同様、リベイクなしで驚きのザクザク食感!!歯切れもよく美味しい。
カレーフィリングはトマトの酸味でさっぱりとした味わいながら、デミグラスソースを加えてあるので深みもあります。
辛さは控えめなのでお子さんでも食べやすいと思います。


◉「食パン“麦の恵み”」(写真奥)
北海道産小麦「春よ恋」を中心に配合。
甘さのないすっきりとした香ばしい香り。
トレイに載せるときにふわふわで潰れてしまいそうなくらいです。
クラストはやや引きがあります。クラムはしっとりして食べるともっちり。
パン自体に砂糖や生クリームの強い甘みがないので、食事パンとして合わせるバターやジャムなど自分好みに楽しめます。
トーストすると、クラストはサックサク、クラムはカリッ。
噛んでいると気づいたらすっと口の中で溶けていました。


食パンの種類も豊富で、好みに合うものがわかりやすく表になっていたり、ハーフでも購入できるのが嬉しいですね。

惣菜パンや菓子パンも並んでいて、食事パンと併せてお昼ごはんやおやつ用に買う方が多く見受けられました。
あんパンを食べてみましたが、豆の味がしっかりして美味しかったです。

全商品国産小麦に変えたことで、カテゴリーごとの構成比も大きく変わったそうです。
以前は菓子パンがよく売れていましたが、リニューアル後は食パンや食事パンの売上比率がアップ。
また、食事パンであるバゲット全体が250%も売上アップしたそうです。
バゲットは粉・水・塩とシンプルな材料から作られているパンだけに、使っている小麦の味の違いにお客様が気づき、また食べたい!とリピート買いされているのでしょう。

nonowa国立店での試みが麻布十番モンタボー全体にも変化を起こし、佐賀県産小麦「さちかおり」を使用したバゲット「幸」が麻布十番本店にも置かれることになったそうです!
もっちりとして甘みがあるバゲットなので、国立店は遠いけれど麻布十番なら行けるという方、見かけたら召し上がってみてくださいね。

ベーカリーチェーンとして、フードロスの解消等を通じたサステナブルな社会の実現を目指している「麻布十番モンタボー」。
第一弾として、全商品国産小麦100%、地産地消など、SDGs達成に向けた取り組みを行うnonowa国立店でパンを購入することで、私たちもその取り組みに少しでも参加できるとしたら、こんな嬉しいことはないですよね。
未来にむけたパン作りをするお店をこれからも応援していこうと思います。
※2月18日(金)、第二弾として鵠沼海岸店も国立店同様、全商品国産小麦100%の店舗にリニューアルするそうです! 楽しみですね。

ベーカリーチェーンのパンにあまり興味のなかった方も、国立方面、鵠沼海岸方面に行かれた際にはぜひ立ち寄ってみてください。
店頭から立ちのぼる力強い小麦の香りに驚き、食べてみたくなること間違いなしです!


JR国立駅中央改札口を出ると正面にあるのが、モンタボーの入っているnonowa国立EASTです。
反対側のnonowa口改札に出てしまうとWESTになってしまうのでご注意を(私が最初間違えて探してしまいました(苦笑))。

SHOP INFORMATION
【店名】麻布十番モンタボー nonowa国立店
【住所】東京都国立市北1-14-1 nonowa国立EAST内
【電話番号】042-505-5622
【営業時間】10:00 ~21:00
【定休日】1月1日、その他年1回

※写真の商品の価格は、2022年の1月現在の価格となります。
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗または、HP、Instagramにてご確認ください。


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この記事を書いた人

岩田聡子

岩田聡子 さん

パン屋さんめぐりは人と人を繋ぐ。転勤族&専業主婦の私でも気づけばパンを通じて友達の輪が!!旅行好きな主人と地方のパン屋もめぐってます。