100年以上の歴史を誇る老舗の逸品”シベリア”! 三代目ご夫妻が守り続る昭和の菓子パンに心ほっこり【コテイベーカリー】(神奈川県・横浜市)


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パン好きライターのもちづき千代子です。
皆さんは昭和の菓子パン「シベリア」を知っていますか?
「カステラであんこ」を挟むという、斬新かつ大胆なるその形状に見覚えがあるという方、さてはあなたは昭和生まれですね?!40代半ばのもちづきも、子どもの頃にはスーパーやパン屋さんでよく見かけたものです。
しかし、近年ではすっかりシベリアの姿を見る機会は減った気がします。実際、知り合いの20代の子にシベリアを知っているか聞いてみたところ、ほとんどの若者の答えは「NO」!あまりにも悲しすぎる……。

しかし、今でもシベリアを作り続けているお店はちゃんと存在しているのです!
それは、JR桜木町駅より徒歩3分のところにある『コテイベーカリー』。
一見するとごく普通の町のパン屋さんですが、「シベリアの聖地」とも言わしめる、シベリア界のレジェンド的なお店なのです。味のある、どこか懐かしさすら感じる外観。温かな雰囲気が滲み出ていますよね。
ガラス扉のロゴマークのパン職人さんの耳には、シベリアが装飾されていました。こちらは数年前に近くで現代アートのお祭りがあった際、出展していたクリエイターさんが施してくださったものだそうです。小さなお店の中に入ってみれば、本当に素朴な「町のパン屋さん」といった風情にホッとしてしまいます。記念撮影用の大きなシベリアぐるみまで置いてありました。これだけでもお店のシベリア推しがわかります(笑)。

パン棚には見事なシベリアの群れが!重厚感たっぷり、分厚さ満点。どっしりフォルムが食べ応えと安心感を保証してくれる、これぞコテイベーカリー名物のシベリアなのです。シベリアを毎日作り続けているのが、こちらのお二人。
「コテイベーカリー」3代目の店主である馬中俊夫さんと、その奥様のいつ子さんです。

コテイベーカリーは、創業100余年の超老舗。シベリア発祥の地というわけではなく、当時流行していたシベリアを定番おやつとして売り出したのが始まりだそう。しかし、現代人の嗜好の変化や食生活の多様化によって、これらの菓子パンは他店からはどんどん姿を消してしまっている模様。

しかし、馬中さんは今でもシベリア製造の創意工夫が大好きなのだとか。伝統を守りつつ、シベリアを時代に合うよう改良を加えながら販売を続けていると語ってくれました。

シベリア以外にも古き良き人気菓子パンだった甘食や、ぶどう食パンにごま食パン、くるみ食パン、定番のあんパンやクリームパンなどもありました。以前はもっとたくさんの種類を作られていたそうですが、体力が落ち始めてきたこともあり、かなり厳選したラインナップになっているそうです。

コンセプトは「1日でも長く、ひとつでも多く」とのこと。そのうちさらに縮小することも考えているそうですが、馬中さんは「体力が続く限りシベリアだけは作り続けたい」と強いシベリア愛を語ってくれました。ありがとうございます!さて、こちらが購入した『コテイベーカリー』の「シベリア」です。分厚い水ようかんとフカフカのカステラ。このビジュアルから、ガツンと重めの食べ応えを想像していたのですが、これがとんでもない!

カステラはあくまでもふわふわ柔らかく、しつこい甘さはいっさいなし。水ようかんを使っているせいか、驚くほど軽くペロリと食べられてしまいます。
子どもの頃に食べたシベリアは「甘さの暴力」を具現化したかのような味だったように思うのですが、『コテイベーカリー』のシベリアはぜんぜん違う!懐かしさはあれど古くはない。
横浜という場所柄もあるのか、どこか洗練されたハイカラなお味なのです。さすがシベリアの聖地と謳われるだけありますね!

シベリアのほかにも、もう一つの人気商品「甘食」も買ってきました。
甘食は円錐形のスポンジともビスケットともつかない、独特の食感をもつ菓子パン。こちらも優しい甘さと軽めの生地が美味しくて嬉しい。そして、こちらはシベリアに次ぐ人気を誇る「ぶどう食パン」。
とにかくぶどうの量が多いのが特徴で、もはやパンはぶどうのツナギでしかないくらいどっさり入っているのです。持った時の重さにもビックリしちゃいました。

食べてみると、ぶどうのジューシーさとそれにぴったりマッチする食パン生地の美味しさに、さらにビックリ。朝食にぴったりのボリューミィな食パンですが、クセの強いチーズに合わせても負けないくらいの深い味わいが素晴らしいです!シベリアに負けず劣らずの看板メニューとして推したい所存!今回は、横浜は桜木町の『コテイベーカリー』さんをご紹介しました。馬中さんご夫妻には、これからもお元気にシベリアを作り続けて欲しい!シベリアが恋しくなったら、また会いに行きますね。

SHOP INFORMATION
【店名】コテイベーカリー
【住所】神奈川県横浜市中区花咲町2-63
【電話番号】045-231-2944
【営業時間】9:00~18:00

【定休日】日

※写真の商品の種類、価格は、2024年1月現在の情報となります。
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗もしくはSNSなどでご確認ください。


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この記事を書いた人

もちづき千代子

もちづき千代子 さん

パン好きなフリーライター。美味しいもの・美味しい酒に恋焦がれながら、美味しい人生を探索中。