五つ星ホテルでベーカリーシェフを務めた職人の手こねバゲットはさすがの逸品だった!【PANSHARE(パンシェア)】(埼玉県・白岡市)


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JR 宇都宮線新白岡駅徒歩 4 分。街路樹が続く駅前通りを歩くと、見えてくるミモザの木が目印。
2021 年 11 月にオープンした「PANSHARE(パンシェア)」 。
洗練された清潔感ある外観。
店名のロゴの下には、犬用のリードフックが設置してあり、何とも愛らしい。10 時 30 分の開店を目指して、店を訪れる人が絶えない。
年齢層も様々なお客さんが押し寄せ、扉がひっきりなしにパタパタと開閉している。
地域の中で人々の暮らしの一部になっている街のパン屋さん。

オーナーシェフの本多伸也さんは、開業直前まで東京都有楽町の 5 つ星ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」でベーカリーシェフとして、13 年間腕をふるい、数々の製パンコンテストでの受賞経験がある。
受賞したバケット「レスぺクチュスパニス製法」のパンのおいしさはあまりにも有名である。

店内に入るとまず、美しいパンに目を奪われる。
圧巻の陳列。
洗練されたパンが約 50種、焼菓子等が出迎えてくれる。
パピヨンの犬のロゴがパンを見守る。
目の前のオープンキッチンでは、シェフがきびきびとした動きでパンを作る工程が見える。パンの香り、音、ライブ感に心が踊る。

どのパンもおいしそうで、”あれもこれも”と悩ましく、いっそのことお店ごと買い占めてしまおうかと余計な妄想をしてしまう。
ゆっくり選んでいても急かされる印象がないスタッフの温かさが嬉しい。
いつ訪れても心地良い接客だ。

国産小麦 4 種、リスドール他海外産小麦 6 種、計 10 種の小麦を使い分け、8 種類の生地で展開。生イーストを使用。

シェフのこれまでの経験から、作られた多種多彩のパンを前に選んだパンがこちら。

【購入したパン】

・手こねバケットコンクールデュパントラディッショナル入賞。外はバリッ、内はむっちり。口溶けなめらか。小麦の香り、甘味を存分に感じる。
ミネラルの多い小麦、最小限の塩等を番重の中で手捏ねし、18℃で長時間発酵。イーストに頼らず、小麦の酵素で発酵を促す。
手間と時間をかけて自然な状態で作るパンは、ビタミンやミネラルが損なわれることなく小麦本来の旨味が引き出され、とても豊かな香りがする。
レスぺクチュスパニスとは、フランス語で「パンへの敬意を込めた」という意味がある。誰もができる製法ではない。シェフの積み重ねた経験、才能を垣間見ることができる PANSHARE を代表するパンである。

・カンパーニュレスぺクチュスパニス製法によるカンパーニュ。
香り豊かなクラムとクリスプなクラストの食感がたまらない逸品。小麦の味が濃厚。

・全粒粉バケット手捏ねバケットとは別に、ホットドック等二度焼きする惣菜パンに合う歯切れの良いバケットを敢えて作っている。
クラストが薄く、全粒粉ならではの、滋味深い味わいと香ばしさが噛み締める度に口中に広がる。

・クロワッサン美しい形。
層に厚みがあり、クラストは軽めでカリっとしており、クラムはしっとりもちもちしている。
リスドオル、カメリア、ロレンスを配合。バターはフランス産イズニーシートバター。食べ進めるごとに芳醇で豊かな香りがふわっと広がる。

・コク生ブリオッシュ(抹茶)「ザ・ペニンシュラ」のコク生ブリオッシュのレシピに、更に磨きをかけた優美で繊細なパン。
薄皮のブリオッシュに隙間なく、抹茶ホイップクリーム、求肥、つぶあんが重なる美しい断面。一瞬にして蕩ける。ほどける。

・チョコブレッドポーリッシュ法を用いたハードトーストにチョコチップが散りばめられた”フランスパンのような食パン”濃厚な発酵の香りや味わいを楽しめる。
やや木目の粗いもちっとしたクラムは、良い意味で無骨。小麦のシンプルな風味が引き立つ。

・海老カツサンドサンドが充実。その中で選んだ海老カツ。
揚げたてのサクサクした海老カツをもっちりした食感の食パン生地でサンド。見た目の美しさと食べやすさ。一つで完成された食事。

・あんバター炊いたあんには少し塩みも感じる。
北海道根釧地区浜名町の稀少なバター、小豆、大納言。何より、パンの美味しさ。パンが具材に負けず、渾然一体。断面の大納言の配列も愛おしい。

・クロワッサンシューサクサクッとした生地に濃厚でとろけるようなクリームがぎっしり。
優しい甘さのディプロマットクリームが、デニッシュ生地と相まってほろほろとほどけていく。

・抹茶カンパーニュ(季節限定)桜が描かれた見た目の美しいカンパーニュ。
生地はしっとりとやわらかく、抹茶の風味も豊か。大納言がアクセントになっている。滋味深い味わい。

埼玉県出身のご夫婦が埼玉の地で、クオリティ高い、街のパン屋さんを営む。
都内に足を運ばなくても、一つひとつ丁寧に創られた、最高に美味しいパンが毎日の食卓に並ぶ。
地域の人を大切にしたいという思い。
だから、おいしさのためならば妥協せず、手間も惜しまない。ホテルで培った力量が存分に発揮されているパンなのである。

『PANSHARE』という店名には、パンを通して、お客様に、おいしい、楽しいを一緒に共有(シェア)したいという願いが込められている。
隅々までピカピカに磨かれた厨房、清潔感、透明感のある空間に、極上のパンが並ぶ。
お気に入りのパンを買い求める人々がお店に活気と温かさをもたらす。
このお店はすごい。
更なる高みに大躍進していく注目のパン屋さんである。

SHOP INFORMATION
【店名】 PANSHARE(パンシェア)
【住所】 埼玉県白岡市新白岡 1-1-3
【電話番号】 0480-31-8749
【営業時間】 10:30-18:00
【定休日】 月・火 ※不定休あり

※写真の商品の種類、価格は、2024年6月現在の情報となります。
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗もしくはSNSなどでご確認ください。


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この記事を書いた人

小島樹子

小島樹子 さん

365日毎日パン。パンの沼に棲息。パンのためならどこまでも。手捏ねでのパン作りとパン旅で日々の主食であるパンを調達。パンを通して食と健康を考える。 JPCAパンコーディネーター、パンシェルジュマスター(1級)取得。ワンランク上のパン教室銀のスプーンで、パンと料理を学ぶ。新麦コレクション賛助会員