農家さん、お客さん、みんなが幸せになるパンを目指して【ブーランジェリーテラ】(東京都・目黒区)


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「リジェネラティブ・ベーカリー」シリーズvol.25

『環境再生型農業』を応援するパン作りをしているベーカリーを紹介するシリーズ。
東急目黒線の洗足駅改札を出て右手に徒歩1分ほど歩いた場所にある「ブーランジェリーテラ」さん。
店名入りの青いオーニングと食パンマークの看板が目印です。

「食べられることが当たり前ではない」
「僕の作るパンで、病気になってほしくない、健康になってほしい」

その言葉通り、寺西真人シェフのパン作りはお客様の体と、その先にある生産者さんの存在へとまっすぐにつながっています。

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専門学校を経て三宿にある「ブーランジェリー ラ・テール」に入社。
4年弱働いた後、大手や個人店などさまざまな現場を渡り歩き、それぞれの特徴を学び経験を積み重ね、2018年10月にオープン。

店内の様子

「いらっしゃいませ」「今日は寒いですね」など、シェフのお母様と奥様によるお客様に寄り添う温かい接客に迎えられ、外の寒さも忘れるほど心までじんわり温まります。

商品が揃う10時頃の店内。お昼ご飯などを買いに午前中に多くお客様がいらっしゃるそうで、13時過ぎに再訪すると結構種類は少なくなっていました。


正面の冷蔵ケースには、食パン、カンパーニュ、バゲットを使ったサンドイッチやキャロットケーキなどのスイーツも。

店内右手には食パン、惣菜パン。焼き菓子も人気のよう。

シンプルな食事パン、全粒粉を配合したスティック状のパンを使ったサンドは組合せがシンプルで、素材の味をしっかり楽しめます。

国産小麦にこだわる想いとは

現在のパン作りを語るうえで欠かせないのが、小麦への向き合い方。
開業当初は外国産小麦も使っていましたが、アグリシステムさんの勉強会に参加したり、独自に粉の勉強を重ねる中で、輸入時のポストハーベスト(収穫後、船便での長期間輸送中にカビや害虫を防ぐために撒かれる農薬)を知り、次第に疑問を抱くようになりました。
「日本でパンを焼くなら、日本の小麦を使いたい」
開店から2〜3年後には国産小麦100%へと切り替えました。

開業当初、問屋さんから質のいい国産小麦の会社としてアグリシステムさんの粉を紹介され使っていくうちに、企業理念である『未来のこども達のために』という、子どもたちの未来を見据えた農業への取り組みに共感し使い続けています。
パン屋は粉がなければ仕事にならない。つまり農家さんがいなければ、何も始まらない。

「この一つのパンの向こう側には農家さんがいる」

そうした当たり前の事実をきちんと伝えたいと思うようになりました、と寺西シェフ。

変化したパンのラインナップ


今年から焼き始めたライ麦100%のパンは、その象徴です。
食べてくださるお客様の健康への配慮はもちろん、勉強会でライ麦が農家さんにとってもメリットのある作物だと知ったことが背中を押しました。
これまで「売れないから」と避けてきたライ麦。しかし今は、あえて販売日を限定し、必要な分だけを丁寧に焼く。
予約やリピーターも徐々に増えてきたので、時間をかけて街に根付いてくれたら嬉しいです、と。

全粒粉のパンもまた、テラさんのパンを語るうえで欠かせない存在です。
開業当初は3〜4割だった全粒粉の配合は、今では6割に。湯種製法を用いることで香りや甘み、やわらかさを引き出し、全粒粉に馴染みのない人にも手に取りやすいパンに仕上げています。
POPで説明をすることで手に取ってくださるお客様も増えたのだそう。

おいしく、そして無理なく続けられること。それが日常のパンには何より大切ですよね。

いざ実食!

◆ライ麦パン100(写真右)
外側はしっかり焼き込んであり、昆布のような旨みの香りとほうじ茶のような香ばしい香りが鼻孔をくすぐります。
内側はふわりしっとり。酸味はしっかりあるけれど香りは甘酸っぱい苺のようで、噛んでいると甘みに変化していきます。
3日目4日目と熟成するごとに酸味は全体に馴染んでマイルドに。
無塩バターやクリームチーズをつけて手軽に食べるのはもちろん、5mm厚にスライスして野菜や卵でサンドイッチにするのもオススメ。
※隔週で販売あり。
※1枚スライスがあるので味を知りたい方も手に取りやすいです。

◆パン・ド・カンパーニュ(写真左)
ルヴァン種と米麹酵母を使用。ライ麦25%配合。
焼き色が濃く、見た目より硬くないので食べやすく、重厚でほろ苦い香ばしさがあります。
内側は草原のような爽やかなクラムの香りとむっちりとした食感。
発酵熟成による甘みが印象的で、何もつけなくても食べ進めてしまう美味しさです。


◆バゲット
人気商品。伺った日はお昼には完売!
指ではじくとコンコンと硬い音。
外側カリッ、しっかり引きもあります。
噛めば噛むほどお米のような甘みが広がり、鼻から抜ける香りはお煎餅のよう!

内側はむちっ、香ばしさと甘さが口の中で一体となりふくよかな美味しさが続きます。
一晩生地を熟成させ旨みを引き出しているからかミルキーな甘みが印象的。
バターを塗ると旨みの相乗効果で、高級フレンチで食べているような感覚を自宅で味わえます。
テラさんに来たら買うべき逸品!


◆クリームパン(写真右)
黄みの濃いカスタードクリームは、もったりとろりとした食感で、まるでプリンみたい!
歯切れの良いふんわり生地も食べやすくて食べたら笑顔になっちゃう美味しさ。


◆塩あんぱん(写真左)
こちらもさっくり歯切れ良いパン生地。
粒あんに混ぜられた藻塩の塩味が甘味をギュッと引き立てます。塩大福を想起させるあんぱん。

上から時計回りにクロックムッシュ、明太バゲット、ゆずとマロングラッセ

◆クロックムッシュ
ハム、ベシャメルソース、チーズを使ったクロックムッシュを、食パンではなく香ばしくヘルシーなカンパーニュで作ることで、自宅でのカンパーニュの食べ方の提案にもなっています。
ベシャメルソースが軽やか、チーズのコクがありペロリと食べちゃいました。

◆明太バゲット
人気のバゲットのカリッという香ばしさに明太ソースの魚介の風味がじゅわ~と広がります。
辛さは控えめで、もっちりしたクラムの甘みもあって美味しい。

◆ゆずとマロングラッセ もっちり全粒粉(期間限定)
全粒粉の素朴な香ばしさ、むっちり優しい弾力、マロングラッセの甘さと爽やかな柚子の風味。
むぎゅむぎゅ噛み締める美味しさはエンドレスで食べていたくなります。

これから目指す方向は

「我々は生かしてもらっている」という想いが前提にあるので、農家さんに感謝、命に感謝、地球に感謝をしなければと思っています。

前述のように、農家さんがいないとパン屋はパンを作ることもできません。
小麦の味がきちんと感じられるシンプルなパン、お客様にも農家さんへ思いを馳せてもらえるようなパン作りに、より一層力を入れていきたいです。

そうすることで作り手もパンの種類を減らして無理なく長くお店を続けていけますし、みんなにいいことずくめだと思っています。

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物腰が柔らかく穏やかなシェフから紡ぎ出される言葉は、芯の通った力強さがありました。
私たちも食べることでその想いを感じられる、地球にやさしい人間でありたいと思います。

※リジェネラティブ・ベーカリーについては以下をご参照ください。
https://www.agrisystem.co.jp/company/values/regenerative/

SHOP INFORMATION
【店名】ブーランジェリーテラ
【住所】東京都目黒区洗足2-24-12
【電話番号】03-6362-3821
【営業時間】9:00~17:00(売り切れ次第閉店)
【定休日】日・月・火
【Webメディア】https://www.instagram.com/boulangerie_tera/

※写真の商品の種類、価格は、2025年12月現在の情報となります。
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗もしくはSNSなどでご確認ください。

 


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パン屋さんのご紹介

ブーランジェリーテラ
東京都目黒区洗足2-24-12
電話番
03-6362-3821
営業日
【営業時間】9:00~17:00(売り切れ次第閉店)
【定休日】日・月・火
Instagram
https://www.instagram.com/boulangerie_tera/

おすすめパン

ライ麦パン100
バゲット
クリームパン

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この記事を書いた人

岩田聡子

岩田聡子 さん

パン屋さんめぐりは人と人を繋ぐ。転勤族&専業主婦の私でも気づけばパンを通じて友達の輪が!!旅行好きな主人と地方のパン屋もめぐってます。