FOODEX JAPAN2026 フランスブースレポート 冷凍技術が支えるパンとスイーツの最前線


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3月10日~13日、東京ビッグサイトで開催されたアジア最大級の食品・飲料展示会「FOODEX JAPAN2026」。
今年はフランス全土から68社が参加し、日本およびアジア市場に向けて“美食の国フランス”ならではの多彩な商品が紹介されていました。

フランスと言えばワインを思い浮かべる方も多いと思いますが、今回はフランス貿易投資庁-ビジネスフランス様にご招待いただき、“パンとスイーツ”にフォーカスしてブースを巡りました。

会場内でもひときわ存在感を放っていたのが「BRIDOR ブリドール」のブース。
広いスペースには焼き上げられたパンの香りが広がり、視覚と嗅覚から訪れた来場者を惹きつけていました。

ブリドールは、優れた冷凍技術により高品質のパンやヴィエノワズリーを世界各国に提供している企業。
日本では高級ホテルやレストランで採用されており、知らないうちに口にしている方も多いのではないでしょうか。

Nicolas Flamant氏(中央左)

今回は、日本カントリーマネージャーのフラマン・ニコラ氏に、現在のフランスのパン事情についてもお話を伺いました。
近年のフランスでは、伝統的な硬いバゲットよりも、焼き色がやや淡くソフトな食感のものが好まれる傾向にあるそうです。
また、下の写真にある、フェタチーズとほうれん草を包んだパンやクリームチーズを包んだパンのように、フィリングをたっぷりと使ったパンの人気が高まっています。これは日本や韓国のトレンドとも重なり、パンのあり方がより手軽に食べられるものにシフトしていることが感じられました。


ホテルの朝食では、シンプルな食事パンよりも、クロワッサンやパン・オ・ショコラ、パン・オ・レザン、ショソン・オ・ポムといった、そのまま手軽に食べられるヴィエノワズリーが人気とのこと。ブリドールは特に冷凍クロワッサンの技術に強みがあり、その応用としてクロッフルやクルンジといった新しい食感の製品開発も進めています。
最新の冷凍技術によって、焼きたての風味や食感がここまで再現できるのかと、その完成度の高さには驚かされました。


続いて訪れたのは「BRIOCHE PASQUIER ブリオッシュ・パスキエ」。
コバルトブルーに黄色のダイヤ柄のパッケージが印象的で、フランスではスーパーで見かけるなど広く親しまれているメーカーです。
フランス留学経験のあるビジネスフランスの方が「懐かしい!よく食べていました」とおっしゃっていて、まさに日常に根付いたパンであることが伝わってきます。
1936年にロワール地方の小さなパン屋として創業し、1974年に法人化。
現在はデニッシュやスイーツなどを中心に展開し、人工着色料や人工香料、保存料を使用しない製品づくりを行っています。

◆パン・オ・レ
ほんのり甘く、ふんわりしっとりとした優しい味わい。パリ在住の友人によると、子どものおやつとして日常的に食べられているとのことで、フランスの家庭の風景が思い浮かびます。

◆ピッチショコラ
やわらかな生地にチョコチップがたっぷり入り、チョコレート好きには特に満足度の高い一品。

クロワッサンやパン・オ・ショコラは、そのままではしっとり、軽くリベイクすると表面がサクッとし、バターの香りがより引き立ちます。

これらのブリオッシュシリーズは、日本でも3月6日より「ナショナル麻布」国立店で販売がスタート。今後は「信濃屋」でも展開予定とのことで、より身近に楽しめるようになりそうです。
また、フランボワーズタルトも試食しましたが、サクサクのタルト生地に甘酸っぱくジューシーなフランボワーズが重なり、冷凍商品とは思えない美味しさ。


続いて紹介する「メニセズ」は、日本ではすでに「コストコ」で見かける機会も多いブランド。半焼成タイプのパンを自宅で仕上げることで、焼きたての味わいを楽しめるのが特徴です。

外はカリッと香ばしく、中はもっちりとした食感で、家庭でも手軽に“焼きたて体験”ができるのが魅力。今回の出展は、日本でのさらなる販路拡大を見据えた動きとのことで、今後はより多くの場所で見かけるようになるかもしれません。


最後に訪れた「PATICEO(パティセオ)」は、5つのブランドを展開する企業。「メゾン・コリブリ」や「パティスリー・トラディッション」など、それぞれに個性ある焼き菓子を展開しています。

一昨年のフランス大使館で行われた「FOOD EXPERIENCE」で試食したチョコレートがけのマドレーヌ。
パリッとしたビターチョコレートの食感と、バターの香り豊かな生地の組み合わせが絶妙で、記憶に残る味わいでした。

今回試食したマドレーヌやフィナンシェ、マーブルケーキも、どれも冷凍商品とは思えないクオリティ。
解凍するだけでもしっとりとして美味しいのですが、リベイクすることで表面に軽やかな食感が生まれ、焼きたてのような仕上がりになります。有塩バターを使うことで、ほんの少しの塩気が味に奥行きを与えています。

冷凍パンやスイーツの分野では、フランス企業が世界的に高い評価を得ている理由を、今回の試食を通して実感しました。伝統的な食文化と最先端の冷凍技術が融合することで、その美味しさは国境を越えて広がっています。

自宅でこのクオリティを楽しめるようになれば、日々の食卓はより豊かになるはず。
フランスの食文化は、今もなお進化し続けているのだと強く感じた展示会でした。


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この記事を書いた人

岩田聡子

岩田聡子 さん

パン屋さんめぐりは人と人を繋ぐ。転勤族&専業主婦の私でも気づけばパンを通じて友達の輪が!!旅行好きな主人と地方のパン屋もめぐってます。

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