<パンめぐ 小樽編 ③> 海と薪窯とパン。忍路の風景に溶け込む名店【Aigues Vives(エグ・ヴィヴ)】(北海道・小樽市)
小樽パン旅、2軒目に訪れたのは、忍路の高台に佇む「Aigues Vives(エグ・ヴィヴ)」さん。

JR小樽駅から車で約20分、日本海を見渡す丘の上にあり、薪窯で焼き上げるパンを求めて全国から人が訪れる名店です。


2000年のオープン以来、パン好き、特にハード系パン好きの憧れの存在として語り継がれてきたお店。
私自身も15年前と11年前に訪れ、その美味しさが忘れられず、「いつかまた」と思い続けていました。
2016年に店舗を改装されたそうで、新しい建物になってからは今回が初訪問。
それでも、フランス語で記された看板は以前と変わらず、遠くからでも「エグ・ヴィヴ」であることがわかる圧倒的な存在感を放っています。

建物の奥には薪が整然と積み上げられています。それさえも絵になってしまうのは、この場所に流れる店主の美意識ゆえでしょうか。
店内は撮影禁止。けれど、その光景は今も鮮明に記憶に残っています。
照明を抑えた空間に柔らかな自然光が差し込み、まるでヨーロッパの農家や田舎町のブーランジュリーを訪れたかのよう。どっしりと大きく焼かれたカンパーニュ、折り込み生地の美しいヴィエノワズリー、果実をたっぷり抱き込んだパンたちが、まるで舞台に立つ役者のように並んでいます。
クラシカルな絵画の中へ迷い込んだような、ここだけ時間の流れが少し違うように感じられました。
自然を背景に味わうクロワッサンの美味しさたるや
まずは、過去2回の訪問でも忘れられなかったクロワッサン。
ひと口かじると、驚くほど軽やかにサクッと崩れ、じゅわりと広がるバターの芳醇な香り。
そのあとを追いかけるように小麦の旨みが現れ、噛むほどに表情を変えていきます。
美味しいクロワッサンに求めるものをすべて備えたような一品で、「美味しい」と何度も口にしてしまいました。


店を出てきた常連らしき方に友人が「何がお好きですか?」と尋ねると、
「クロワッサンとパンオショコラかな。毎回必ず予約しています」
そう答えながら、大切そうに紙袋を抱える姿が印象的でした。
その様子を見て、「やっぱり選んで正解だった」とうれしくなりました。
パンオショコラはリベイクしていただきました。
しっかりと焼き込まれた香ばしさのあとに、パリッ、はらりとほどける軽やかな層。
ふくよかなチョコレートの風味と豊かなバターのコクが重なり合い、思わず感嘆の声が漏れる美味しさでした。

酔っ払いのフルーツパン
洋酒に漬け込まれたフルーツが惜しみなく使われており、生地よりも分量が多いのではないでしょうか。
「酔っ払い」という名前から強いお酒の風味を想像していましたが、日を追うごとに馴染んできたのか、3日目にはフルーツの凝縮した甘みが際立っていました。
そのままでも十分美味しいのですが、軽くトーストすると香りがさらに立ち上り、果実の魅力がいっそう豊かに感じられます。そこに冷えたバターをのせると何物にも代えがたい美味しさです。

ブルーベリーパン
クープによって生まれた立体的なパンの表情が実に美しく、思わず見惚れてしまいます。
果実の甘みはレーズンより穏やかで、どこかカレンツにも似た味わい。
ブルーベリーの色素が生地に溶け込み、ほんのり紫色に染まった断面も美しい。
食事やワインと合わせても楽しめそうです。
タルティーヌ
初めて訪れたとき、移動中の車内で食べた味が今も忘れられません。
カンパーニュに無塩発酵バターとクリ蜜を塗っただけのシンプルな一品。
それなのに、薪窯で焼かれたパンの力強い小麦の香り、少し個性的なクリ蜜の風味、なめらかなバターのコクが見事に重なり合い、特別なごちそうになります。
奇をてらわないからこそ素材の魅力が際立ち、「パンを食べる幸せ」を改めて感じさせてくれる味わいでした。
そして、紙袋ひとつとっても美しい。
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パン屋さんのご紹介
- 店名
- Aigues Vives(エグ・ヴィヴ)
- 住所
- 北海道小樽市忍路1丁目195
- 電話番号
- 0134-64-2800
- 営業日時
- 【営業時間】12:00~18:00(売り切れ次第閉店)
【定休日】日・月・祝日
おすすめパン

- クロワッサン

- ブルーベリーパン
この記事を書いた人
岩田聡子 さん
パン屋さんめぐりは人と人を繋ぐ。転勤族&専業主婦の私でも気づけばパンを通じて友達の輪が!!旅行好きな主人と地方のパン屋もめぐってます。













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