2020年のシュトレンはこれです!
シュトレンとは?
もともと坑道や地下道という意味の「シュトレン」。トンネルの形に似ているからこの名がついたと言われています。真っ白でやわらかな粉砂糖に覆われた見た目は、幼子イエスを包むおくるみに見立てられることも多いようです。真っ白に粉砂糖で覆われてるシュトレンもありますよね。
ラム酒に漬けられたドライフルーツとマジパンがたっぷり入ったドレスデン風シュトレンは、ずっしりと重いのが特徴。ドイツには12月1日から薄く切って、クリスマスまで家族みんなで食べる習慣があります。
私はドイツに滞在していた時に、この習慣を知りました。寒い日にグリューワインとともに食べれば、体の芯から温まってきますね。
シュトレンは切り分ける作業も大変。ボロボロお砂糖がこぼれ落ちるのは目をつぶりながら〜。
こんな感じで白い紙皿に、シュトレンのお店のネーミングをわかりやすく表示して、1個づつ並べていきます。
①Comme’N 九品仏 3,000円
パンの世界大会「モンディアル・デュ・パン 2019」にて日本人初の総合優勝を果たした、大澤秀一シェフ率いるベーカリー。お酒に浸け込んだ果実の味わいが大人のフルーツケーキみたい。
② Bricolage bread & co.
ブリコラージュ ブレッド&カンパニー六本木 2,500円
国産小麦全粒粉をメインに使用し、さらにライ麦を配合した生地はスパイスやフルーツ洋酒の風味に、負けない濃い小麦の味わいが特徴的。今回選んだのは大人のチョコ味。カカオハンターズ小方真弓さんの上質なチョコレートとカカオパウダーを使用。トゥマコ65%のチョコレートをザクザクと贅沢に混ぜ込んだ生地は、どこを食べても華やかな香りと食感が楽しめて、口に含んだ瞬間ふわりと香るカルダモンとチョコレートの濃厚なマジパン。
③ブーランジェリースドウ 3,000円
世田谷線 松陰神社前駅前にあるパンと焼き菓子のお店。甘みと香り豊かなスペイン産のマジパンとよもぎ生クリーム、和三盆生地に練りこみ北海道産の大納言入りと和風ながらもしっかりと奥深いシュトレンです。
④ユニバーサル ベイクス & カフェ Veganシュトレン 3,000円
米麹で起こした種を生地に入れ、日本酒とローストした皮付きアーモンドプードルで作ったマジパン入り。フルーツは、有機レモンピール、グリーンレーズン、パイナップル、伊予柑ピールにカルダモンを、ホワイトサングリアをイメージしたフルーツがたっぷり入ってます。フルーツの漬け込みは、洋酒ではなくなんと日本酒。バターや卵を使わずに作ったシュトレンは、ファンになること間違いなし!
⑤モアザンベーカリー 新宿
veganシュトレン 1,500円
こちらもveganのシュトレンですが、ユニバーサルとまた違う色も濃く深いしっとりとした生地の食感が特徴。しっとり仕上がった生地は栗粉を練り込み、渋栗やデーツ、ラムレーズンベリーやナッツもたっぷりと。ほんのりスパイスたちをまとわせ、ココナツオイルにとっぷりと浸したら、てんさい糖の優しい甘さで包みます。カリリと広がるカカオニブの香ばしさが、ちょっぴり大人でロマンチック。シェフが贈る渾身のクリスマスプレゼントです。今回初の2種類のveganシュトレンでしたが、ますますこの世界に惹かれます。
⑥パン・デ・フィロゾフ (Pain des Philosophes) – 神楽坂
カシスを中心に7種類のドライフルーツ、胡桃を練り込まれたスパイスが効いた大人のシュトレン。シェフが焼くハード系パンはカリカリとしっかり食べ応えあるパンが多く、今回のシュトレンも予約から人気で行列でした。
⑦タンネ 浜町本店 2,900円
ドイツ本場仕込みのオーソドックスなドイツで食べたシュトレンに近い味わい。今回タンネさんを基準に他のシュトレンを比べてみました。
⑧ベッカライコンディトライヒダカ
福光石熟成シュトレン3,000円
島根県世界遺産の石見銀山の近くドイツ 国家認定製パン・製菓マイスターの夫婦が作るドイツパンと菓子の店。さすがにドイツの伝統を守りながらも、熟成した味わいが特徴。
⑨たま木亭 1,600円
今年もクラッシックなシュトレンと「和」の2種類。今回は上品な甘さの大粒黒豆の和風シュトレンで、店舗に足をはこばないと買えない貴重な一品です。
⑩神戸のベーカリーケルン 2,200円
神戸老舗のパン屋さん。ドイツ仕込みで食べやすく、親しみやすいシュトレンLand mark(ランドマーク)。生まれ故郷であるドイツのベース配合に則り、洋酒で1ヶ月以上じっくり漬け込んだドライフルーツ(レーズン、オレンジピール、レモンピール)とアーモンド、胡桃を贅沢に使用し、ケルン独自のこだわり抜いた特殊製法によって、口どけの良い最高のシュトレンが完成。こちらは「HYOGOシュトレンの会」認定シュトレンでもあります。
⑪ブーランジェリー・フリアンド夙川 2,700円
2021年モンディアル・デュ・パンの日本代表に谷口シェフが選出されました。こちらは関西老舗のパン屋さん。
このような状況ですが皆さまの笑顔がいちばん嬉しかったです。シュトレンはシェフが贈る渾身のクリスマスプレゼント。今年も優しさに包まれる味わいを皆様に届けます。
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この記事を書いた人
大谷 りえ子 さん
ハードパン愛好家。おいしいパンと魅力ある作り手との出会いを求めてパンのある場所どこへでも。訪れたパン屋は国内外で1500軒。シェフの熱意がこもった美しいバゲットやカンパーニュが好きです。国産小麦に興味あり。パン屋さんを巡る旅メディア『パンめぐ』めぐリスト、TV出演も。 https://peraichi.com/landing_pages/view/otanirieko
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