『パンは小麦です』。そごう横浜店“パンフェス”で購入したご当地小麦パンを実食!


会場に貼ってあったポスター『パンは小麦です』。私達は単純に美味しいと思いながらパンを味わっていますが、それがどこでどのように作られた小麦で、どれだけの時間をかけてお店に運ばれ、職人さんの手によって美味しいパンに変化しているのかを知ってから食べると、よりパンへの愛しさや美味しいと感じるレベルが上がると思うのです。というわけでご当地小麦パンを食べた感想を書いていきます。

神奈川県厚木市「ノペルベーカリー」。通信販売及び土日のみ店舗販売。今回のイベント用にアレンジしたパンを販売されています。

“クロワッサン”。このクロワッサンにはイベントに出店もしている「麦踏」の宮下シェフが栽培している“ゆめかおり”使用。リベイクして食べると、パリッと軽やかな表面は甘みはなく底のほうにはジュワっとバターの味と香りが広がる。中は少しもちっとして噛みしめるごとに小麦の旨みを感じる。食べていると青空の下で伸び伸び育った小麦の景色が思い浮かびました。

“林檎と紅茶のハースブレッド”。神奈川県産ゆめかおり30%使用。このパンのために紅茶の酵母を起こしたそうで、クラストは紅茶とはっきりわかるものではないですがすっきり爽快な香り。食べると紅茶の香りがふわーっと鼻腔に抜けていく。生地には蜂蜜の甘さかな?ほのかにありしっとり。口の中で唾液とあわさるとねっとりとして美味しさが長くとどまる。とろとろに煮た林檎もこちらがとろけてしまうくらいダージリンの茶葉を練り込んだ生地に合って美味しいです。

“ハーブのフォカッチャ”。神奈川県産ユメシホウ30%使用。お店の敷地内で育てたローズマリーを酵母に起こしたそうです(驚)。よくフォカッチャというとオリーブオイルたっぷりでしっとりむっちりを思い浮かべますが、ややもち程度で重さはない。とにかくローズマリーその他ハーブの香りがすごい!しかし決して強いのではなく染みわたるような優しい香りと味わい。食べるアロマテラピーのよう。使われているハーブは、セントジョーンズワート、タイム、タラゴン、ディル。トーストするとフワッ、サクッと軽い食感を楽しめます。
「ノペルベーカリー」さんは5日(月)に販売予定あり。

神奈川県小田原市「麦焼処麦踏」。お店にも開店まもないときに伺い、小麦の味を生かすパンを作られる印象があります。
“バターロール”。小田原産小麦30%使用。クラストは薄いが引きがありバターロールと言ってもリーンな味わい。クラムはしっとりして小麦の香ばしいいい香り。トーストするとクラストがサクサクになり口の中で溶けていく。ポップコーンのような香ばしさを感じます。シンプルに小麦を味わえるパン。4日(日)まで毎日販売予定。

岩手県平泉町「きんいろぱん屋」。帰宅して思い出したのですが、こちらはパン好きの間で有名な、目黒区のご自宅の一部で週に3日だけ販売している「ワルン ロティ」大和田聡子さんのお父様が開発した小麦“コユキ小麦”など平泉産小麦を使って大和田さんがアドバイザーとして携わっているお店です。テレビで以前オープンまでの物語を放送していたのを思い出しました!
“全粒食パン”。岩手県産コユキ小麦100%使用。甘い香りで奥の方から微かに熟成したような香りもしてくる。クラムがしっとりしていてきめの細かさが印象的!クラストが気にならないので焼かずに食べて後引く美味しさ。バターもしっかり感じます。トーストするとさらに甘くミルキーさが増し、あまりの美味しさに食べながらゾクゾクしてくる感覚を久しぶりに味わう。こういうパンに出会えて非常に嬉しいです。2日(金)~5日(月)まで販売予定。

神奈川県横浜市「パン ゴルジュ」。パンめぐで共に記事を書いている大谷りえ子さんからお薦めされ気になっていたお店。伝説のパン職人でいまは亡き「ブノワトン」の高橋幸夫氏のもとで修業なさった国産小麦100%使用のお店。他のお店でシンプルなパンばかり買い過ぎたのでここでは惣菜パン“ベーコンとマスタード”を。湘南小麦30%使用。バゲット生地がまず美味しい。クラストは噛むごとに旨みが染みだしクラムはもっちり。ベーコンが端から端までしっかり挟まれていて粒マスタードも効いている。反町駅から近いようなので近いうちにお店訪問してみます。5日(月)まで毎日販売予定。

埼玉県川越市「ブーランジェ リュネット」。残念ながらイベント販売は31日(水)のみでした。埼玉県産ハナマンテンと北海道産小麦を使ったご当地小麦への情熱あふれる若松シェフのお店。

“ハナマンテン バタール”。埼玉県産ハナマンテン100%使用。農林61号使用したバタールがあり、若松シェフに違いをお聞きしたら「農林61号は懐かしい昔ながらのパンの味です。ハナマンテンは何にでも変化させられる面白い小麦でブリオッシュやベーグル、うどんやパスタも作ることができる小麦なんです」と。このバタールは長時間発酵させまる2日かけて作られます。クラストは青々とした草原が目に浮かぶようなはっきりとした味と香り。クラムは水分量が多く一口食べてその甘さに驚く。カンパーニュのような濃い味わい。

“河越抹茶とミルクチョコのミッシュ”。埼玉県産ハナマンテン100%使用。全粒粉。抹茶がはっきり主張したっぷり使われているのがわかる。細かく刻んだミルクチョコチップがパン全体に散りばめられ、口の中で全ての素材が一体となるとまろやかで滑らかで、いつまでも口に頬張っていたくなる。ゆっくりじっくり味わいたいパンでした。

どのパンもそれぞれに違いがきちんとわかり、非常に素晴らしい企画のフェスだと思いました。ぜひ多くの方にご当地小麦の良さを知っていただきたいです。
※行列で買うのを断念しましたが、「パーラー江古田」(4日(日)まで出店予定)の食パンは、普段お店で販売している生イーストではなくレーズン酵母を使用し、小麦はミルパワージャパンのゆめしほうを使っているそうです。パーラー江古田の食パンを食べなれている方もイベント独自の食パンを買って違いを確かめてみてくださいね。


パン屋さんのご紹介

そごう横浜店“パンフェス”
神奈川県横浜市西区高島2-18-1
電話番
045(465)2111 (代表)
営業日
営業時間:10時~20時(パンフェス最終日11月5日(月)は17時閉場)
定休日:パンフェス期間中無休
そごう横浜店HP
https://www.sogo-seibu.jp/yokohama/topics/page/event-panfes-20181031.htm
ミルパワージャパンのfacebook
https://www.facebook.com/%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%91%E3%83%B3-768405339937101/

おすすめパン

「きんいろぱん屋」全粒食パン。
「ブーランジェ リュネット」河越抹茶とミルクチョコのミッシュ(イベントでの出店は終了)

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この記事を書いた人

岩田聡子

岩田聡子 さん

パン屋さんめぐりは人と人を繋ぐ。転勤族&専業主婦の私でも気づけばパンを通じて友達の輪が!!旅行好きな主人と地方のパン屋もめぐってます。