神奈川県二宮町へ移転オープン。「ティグレ」のパンは変わらず、いや、さらに美味しさup！

2018年09月05日岩田聡子

2017年4月、学芸大学で人気を博していた「パナデリーヤティグレ」さんが神奈川県・二宮町に移転。お子さんの環境を考えて海も山も近い自然あふれる場所に転居したそうです。学芸大学では2007年に開店し、「ティグレのパン美味しいよねえ」と言うパン友さんがすごく多かったので、都内から移転することを悲しむ声を多く聞きました。

移転されてから初訪問。お店の前には手を掛けた花たちが夏の日差しに負けずイキイキと咲いていて、訪れる方への細やかな気配りが感じられます。

私達（いつものパン屋巡りメンバー4人）は、同じく二宮にある「ブーランジェリー・ヤマシタ」さんから車で10分ほどで移動してきました。駐車場の場所がわからずにいたら、ちょうどお店の横にある小道からお客さんが出てこられたので「裏手にあるみたい」とぐるっと回って到着。住宅地でわかりにくいため、お店の入口に駐車場への行き方が書いてありますのでこれを参考になさってください。

土曜日の11時半過ぎ。店内には常連のお客様がお一人。パンもまだ結構あったので嬉しいです。事前にお電話で「土曜日の１１時半頃が一番商品が揃っています」とお聞きしていました。ハード系、惣菜パン、菓子パンなど万遍なくあり、どれも美味しそうで4人ともすごーく悩みました。また、この日は猛暑日でしたので悪くなりそうなものは選べず…。

ショーケースの奥の棚にはバゲットと食パン。豆乳食パン、イギリスパンなどもあり、この棚だけでもなかなか選ぶのが難しいです。

バゲットが4種類。うち3種類は長時間発酵の記載。焼き色もクープもとても美しく見惚れてしまいます。
望月哲二シェフは、2008年まで代官山にあったブーランジェリーカフェ「アルトファゴス」を「シニフィアン・シニフィエ」の志賀シェフと共にオープニングから支えられた方。ネット上では修業先がシニフィアンと書かれたりしていて、シェフの奥様も「ネットの情報は一方的に流れて修正がなかなかできなくて…」と半ばあきらめたご様子。二宮移転後のお店の情報もHPやFBなどは作っていらっしゃいません。この記事で正しい情報が流れるお役に立てればなあと思います。
長時間発酵はシニフィアンの志賀シェフのバゲットもそうなので、きっと望月シェフのバゲットも美味しいに違いないと、“バゲット・ティグレ”と“バゲット４８”を買って食べ比べすることに。

クロワッサンはお店のおススメ。クロワッサンの断面フェチとしては買いますとも！！

バゲット・ティグレ。クラストはやわらか。香りは強くはないけれど食べると小麦の旨みがぶわーっと押し寄せてきます。長時間発酵なのでクラムはややむっちり。万能選手な美味しさ。トーストするとクラストはカリッとして香りが増します。

バゲット４８。４８時間と言う超長時間発酵のバゲット。多加水のパンのときに感じる瑞々しい香り。バゲット・ティグレと同じようにクラストはそのままではやわらかく、トーストするとカリッと香ばしい。クラムはしっとり。こちらのほうが小麦の甘みを強く感じて非常に美味しく好みでした。

クロワッサン。入っていた紙袋がベタベタになっていたので油っぽいのかと思ったけれど、リベイクして食べると決してそのようなことはなく、シャクシャクという繊細な音がする層。甘みはなく歯切れがよい。軽い食感で2個ペロリといけそう。とても美味しい。焼き色も強めでしましまのトラ柄に見えてきます(笑）。

ミルククリーム。店頭には商品はなく商品札のみ。注文すると“パンオレ”というパンをカットしてクリームを挟んでくれます。パンオレ自体が牛乳・卵・生クリームを使っていて甘くソフト、唾液ですーっと溶けていく生地。しっかり甘くミルキーで練乳多めなクリームも生地のミルキーさと相俟って、移転前からの人気商品であることが納得のパン。