「パンの研究所 パンラボ」第2弾講座「バゲット」に参加してきました!


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パンラボ・池田浩明さん主催の講座に参加。

参加者が「見習い研究員」となり、みんなでパンを研究していくスタイルの講座の第2回目の講義に参加しました。
第1回は食パンでした。今回は第2回バゲット編です。

単行本「パンラボ」をアートディレクターとして世に送り出した、山口信博さん率いる「折型デザイン研究所」とのコラボレーション企画だそうです。

 

直径10センチの中に全てが凝縮。パリで生まれた都会のパン

食パンほど人気がないのはなぜなのでしょう?私はフランス人のように毎日でも食べたいパンの一つですが・・・・。

バゲットは職人にとって腕を見られる判断になる貴重なパン。材料はシンプル!小麦粉、水、塩、酵母(&モルト)のみ。
直径10センチの中に起承転結がすべて込められているバゲットは、パンのテイスティングの初歩としてうってつけだとか!

パリで生まれた都会のパンがバゲット、カンパーニュは田舎パンですね。今回はなんとも贅沢なセレクト食パンよりバゲットの方が味わいの違いが明確にわかるような気がしました。

最初にバゲットの歴史についての説明がありました。日本ではいろんな種類のバゲットがありますが、フランスでは規定があります!

①焼成後の重量250g
②砂糖、油脂を入れない。
③小麦粉、水、塩、パン酵母(及びモルト)だけを原料とする。

これらの知識を勉強した上でいよいよ食べ比べ!

8種類のバゲットの食べ比べ!

畳の上にずらりと並べられたバゲット、もう食べ比べる前から小麦のいい香りが充満してます。

<8種類のバゲット>

ドンク
SAWAMURA
パン・デ・フィロゾフ
トシ・オー・クー・デュ・パン
VIRON
タルイベーカリー
カタネベーカリー
リュネット

バゲットを上から撮影

 

バゲットの断面

<テイスティングの分析フレーム>
外観
内観
触感
アロマ(嗅ぐ)
食感
口溶け 味わう(前)
フレーバー  味わう(後)
喉越し(後味や余韻)
(パンラボ池田さんの分析から引用)

各店舗ごとの分析と知識

*ドンク

クープ は 7本 250gで正統派フランスの伝統的な製法を守る、幅広い層に食べやすいバゲット。発酵時間3時間。
日清製粉リスドオル サフィンスタントドライイーストを使用。

*サワムラSAWAMURA

お肉を焼いた時のように赤黒い色。クラストは醤油のような味わいの後にクラムからは濃厚な甘さ。サワムラは「濃い味」を出す粉を使っている。
仏産小麦、スムレラ(石臼挽き北海道きたほなみ)、ニシノカオリTYPE60をブレンド。17℃で16時間発酵。コントレックスで硬度調整。

水の硬度が高い軽井沢の本店で食べるバゲットは、パリでと味わいが近いかもしれませんね。

 

*パン・デ・フィロゾフ (神楽坂)

クープの立ち方が満点クリームかかったみずみずしくて半透明の膜があるクラム。焦げ茶色のクラストはお味噌もしくはバターっぽい。とろけ感がありバランスがある。酵母の香りはドンクと似てる感じ、サワムラほどでないがもっちり感がある。

小麦は仏+北米産とグリストミルのブレンド。

*「トシオークーデュパン」(都立大学)

クラムは詰まっていてもっちりとして少し酸味を感じます。フランス産小麦そのものの香りを感じさせる発酵。ルヴァンリキッドで風味を付け加える。

裏返した面

*VIRON (渋谷)

フランスVIRON社と独占契約してブランド粉レトロドールを使用。お米を研いだような匂いがして、クラストはカリカリ、気泡が大きい。バターみたいな甘さ。

*タルイベーカリー

焼きはフィロゾフほどではないが茶色い。お店では、午前中は長時間発酵のバゲット、午後からはストレート法のバゲットを焼いている。
クラストはガリガリ感で、クラムは酸味が立っていて旨味が強い。余韻が長く喉に旨味が残る感じ。

*カタネベーカリー (代々木上原)

バゲットの形からすると短く、かたちでなく味で勝負らしい。生地に流動性があり、余計なことはしないバゲット。そのままを自然味わう。甘さを感じお豆腐のような風味。ホクシンの小麦の香りが醤油の味のように感じるのかな。

*リュネット(川越)

埼玉県産小麦のスペシャリスト 「リュネット」さん。今回特別に「農林61号」の小麦粉で焼いたパン。 これは一般的にうどんに使われる粉で揚げ餅みたいな味わい。言うならば、和風バゲットです。
この食感は私には初体験で驚きでした。


様々な個性のバゲットの食べ比べ。
私の好みは、クラストがカリッと焦げ茶色、エッジが立ち、クラストの口溶けがよく最後に甘みを感じるバゲットです。

 

 

研究所「パンラボ」年間スケジュール

パンラボの講座は、次回はカンパーニュです。

<2019年度「基礎編」>
6月13日 食パン
7月11日 バゲット
8月8日 カンパーニュ
9月12日 ライ麦パン
10月10日 フォカッチャ
11月14日 ベーグル

※イベントに関するお問い合わせは主催者様までお願いいたします。
パンラボホームページ→http://panlabo.jugem.jp/


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この記事を書いた人

大谷 りえ子

大谷 りえ子 さん

ハードパン愛好家。おいしいパンと魅力ある作り手との出会いを求めてパンのある場所どこへでも。訪れたパン屋は国内外で1500軒。シェフの熱意がこもった美しいバゲットやカンパーニュが好きです。国産小麦に興味あり。パン屋さんを巡る旅メディア『パンめぐ』めぐリスト、TV出演も。 https://peraichi.com/landing_pages/view/otanirieko

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